ジャッジの目~2017年前期アマチュアボールルーム総括~

2017年前期を振り返り、審査員として心に去来した様々な思いを綴ってみます。

 

まずはN級。競技選手としてのキャリアスタート的な競技会なのでトータルインプレッションと言われるカップルとしての全体の優劣も大切ですが、ダンスの一つ一つのアクションの到達度をより重視し比較する傾向が各審査員ともに高いと思われます。

そこで私が特にN級の皆さんにお伝えしたいのは、スイングダンスではライズをした時の踵の上がり具合です。フラットになった時とライズをしたときとあまり変わらない様では歩いてるのと変わらなくなります。競技をしてるわけですから、ライズはしっかりライズ、ロアーはしっかりロアーとはっきり見えてくるカップルがより審査員の目に訴えてくるのは自然なことです。

N級戦全体的にメリハリが見えないのはこうしたこだわりに欠けていたためと思われます。

 

次にD級戦。N級選手の挑戦やD級に上がりたての選手との混在で、ベーシックだけで踊られるペアやバリエーションをこなす熟練カップルの方たちを同じ土俵で審査することになるので、表面的な比較がしにくく、ダンスの基本的アクションの習熟度を比較することになります。

私が2017年前期を通して感じたことは、フットワークの正確性があまりに低いこと。これからC,B級を狙っていくのに足る正確なフットワークに慣れていなければ、スピードはおろか様々なバリエーションにまで不具合をきたすことでしょう。

D級戦全体にフットワーク(特にPPからの第1,2歩)の雑なペアが多すぎました。

 

C級戦。少し競技ダンスの選手としてこなれてきた感のある競技会。様々なバリエーションにトライ出来るようになり皆さん夢中で踊ってられました。ただ、夢中になるあまり二人の世界に入り込み審査されている事を忘れているようにも見受けられました。

皆さんなぜそのバリエーションを踊るのか動機づけを怠らないで下さい。ただ与えられたバリエーションをこなそうとする練習はトラブルを生み余計に踊ることを難しくさせてしまいます。

C級戦全体的にバリエーションに踊らされているペアが多かったです。

 

B級戦。スピードも出てきて競技感が強い、良いイメージでした。そのスピードをうまくコントロールしようと力が入りシルエットやバランスを失うペアが多かったですね。

そのバリエーションを踊る動機に基づくスピードの発生と減衰をコントロール出来ると、余分な力みが消えて美しいシルエットが生まれると思います。

B級戦全体に力技でスピードをコントロールする傾向があったのでその方法を変える事が出来ると抜きん出れるでしょう。

 

最後にA級戦。このクラスになるとレベルがまちまちなのでなかなか一言では言い尽くせませんがあえて総括すると、特に男性が進もう進もうとするあまり、カップルとしてのシルエットやハーモニーを損なってしまっているイメージが強かったです。

動くだけが競技ダンスではないので(動かなければ始まりませんが…)、ご自分たちの踊りを多角的に評価し構築していく練習が必要です。移動・形・リズム以外に何があるでしょう。

A級戦では全体として、踊りに対する練習の術が多角的に行われていない様子がうかがえました。

 

アマチュア競技選手の皆さん、以上を踏まえて今後の競技会に向けて練習のヒントになれば幸いです。

皆さんのご健闘をお祈りいたします。

 

白石 智樹

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